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スウェーデンの四季の伝統的行事について

公開日: : スウェーデン最新情報

スウェーデン人にとっての年中行事とは

スウェーデンの暦に古くから伝わる祝日には、その多くに宗教的ないわれがあります。スウェーデンの教会は、社会と文化に大きな影響を及ぼしてきました。 どこの国でも、その文化はたいてい宗教的な信仰や祭事と深く結びついているものですが、特にスウェーデンでは未だにその傾向が強く見られます。 人々は今も教会の庇護と祝福の下で結婚式を挙げ、洗礼や葬儀をとり行って暮らしています。
今から400年以上も前に、グスタブ・ヴァーサ国王がルーテル派国教会の教えを取り入れ、カトリックを禁止しました。 けれども、その宗教改革以前から伝わる習慣さえも今日見ることができます。
また、ほんの100年前まで農業立国だったスウェーデンは、農作業の暦と結びついた祭日・行事も多くあります。 実際的な機能や本来の意味を失ってしまったものでも、その多くは現代の生活に合った形で取り入れられ、受け継がれています。
ここでは、スウェーデンを訪れる方にぜひ知っておいて頂きたい、体験して頂きたい、というスウェーデン独特の行事をご紹介します。

復活祭 Påsk(ポスク)

(イースター:毎年3月21日以降の満月の後に来る最初の日曜日。毎年日が変わる)
復活祭は宗教上の休日ですが、今でもその週は「ポスク休み」として学校は9日間の長期休みとなります。 大抵はポスク休みの前の週から、家庭では木の枝を花瓶にいけて「色とりどりの鳥の羽」や「玉子の殻に模様をつけたもの」を たくさん飾ったものを窓辺に置きます。子どもたちは学校で「復活祭おめでとう」カードをつくったり、ひよこの絵を描いたりします。 また、昔はこの復活祭週間の聖木曜日に魔女達がほうきにまたがって悪魔に会うためにブロークッラ(青い丘)へ飛んでいくと考えられていました。 それにちなんで、今では女の子(たまに男の子も)魔女の格好をして(←これがとても可愛い!)近所の家を訪ねてまわり、お菓子やおこづかいをもらったりします。
復活祭の食べ物は卵が最も一般的です。復活祭の前の晩には伝統的に固ゆで卵を食べます。

エイプリルフール(4月1日)

スウェーデンのエイプリルフールは、大人から子どもまでがそろって参加します。この日だけはどんな冗談でも許されます。 私の子どもの通う小学校の校長先生は、毎年何かいたずらしています。今年は学校の正面玄関に貼り紙で「歌唱コンテスト! 校長の前で歌って、優勝したら市役所から映画のフリーチケット!ポップコーン付き」とあり、実際に参加しようとした子どもがかなりいたそうです。 でも、校長室で「エイプリルフールだよー」と種あかし。日本の学校では考えられないですね。私もびっくりしました。 しかしこの日は公共のテレビ・新聞でも「真面目に」ニュースをでっち上げたりもします。
もしスウェーデンで4月1日のエイプリルフールを過ごす方は、誰かに一杯食わされることを覚悟しておかなければなりませんよ。 充分お気をつけくださいね。

マイブローサの夜とメーデー(4月30日、5月1日)

普通この頃になると、南部スコーネ地方ではもうすっかり春ですが、北部の人々はまだ何週間か待たなければなりません。 それでも毎年4月30日の晩には国中が春の訪れを歓迎します。この祭日は大学のある町で特に盛大に祝われます。 スウェーデン最古の大学(15世紀創立)のある古都ウプサラでは、午後になると何千人もの学生が白い学生帽をかぶって集まります。 学生達は春を讃える昔ながらの賛美歌や学生歌を歌い、暗くじめじめとした寒い冬の終わりと、輝く太陽と夏の新緑の訪れを祝います。 夕方になるとあちこちでパーティーが開かれ、賑わいは真夜中まで続きます
南スウェーデンのスコーネ地方では、夕方から大きな焚き火に火をつけ、その周りで歌を歌って春を迎えます。 この明くる日のメーデー(5月1日の春の祭)を祝う習慣は古くからあり、色々なゲームやピクニックを楽しむ日でした。 今では他の国と同様、メーデーは主として労働者の祭日としてパレードや政治家達の演説が行なわれるようになりました。

ナショナルデー/国旗の日(6月6日)

19世紀以前まで、スウェーデンにはナショナルデーはありませんでした。けれど、ストックホルムの野外博物館「スカンセン」の創始者アートゥル・ハセリウスが6月6日をナショナルデーとすることを提唱しました。 スウェーデンの歴史上で重要な出来事がこの日に起こっているというのがその理由でした。 例えば、スウェーデンの建国の父グスタブ・バーサが王位についたのは1523年の6月6日でした。 又、1809年に政体法(1975年まで効力のあったスウェーデンの憲法)が発布されたのもこの日でした。 そこで、1983年に正式にこの日がナショナルデーとなりました。
現在この日は全国の至る所で国旗が掲揚され、たくさんの町でパレードや演説、ブラスバンドの演奏などでこの日を祝います。 国王はいろいろなボランティア団体に国旗を贈呈するのが恒例となっています。

夏至祭 Midsommar

(ミッドソンマル:6月24日の聖ヨハネの日に一番近い週末の土曜日。毎年日が変わる)
スウェーデンで夏至祭は盛大に祝われる行事です。この頃は昼の時間が一番長い「白夜」の季節で、北部では真夜中の太陽が見れます。 夏至祭はスウェーデン語では「ミッドソンマル」といい、これは「真夏」という意味です。でもここスウェーデンではこの時期、夏はまだ始まったばかりです。 そのため、スウェーデンの夏至祭はいろいろな点で、他のヨーロッパ諸国の「五月祭」に似た行事ともいえます。
夏至祭の日の朝、人々は家や車、教会、夏至祭の会場などを花輪や緑の小枝で飾ります。また、花や葉で飾った十字架の形をした夏至柱(ミッドソンマルストング) を会場に立て、その周りに人々が集まります。バンドがきて歌や音楽を演奏することもよくあり、子どもも大人も夏至柱の周りで踊るのが習慣となっています。
夏至祭で全国的に名を知られている地方は、中部ダーラナ地方や南部スコーネ地方です。 都会から田舎の別荘やコテージを訪れている何万人もの観光客が集まり、盛大に祝われます。ストックホルムではスカンセンでの夏至祭が有名です。また、 典型的な夏至祭の献立といえば、いろいろな種類の酢漬けニシン(シル)、ディルと一緒にゆでたじゃがいも、摘みたてのイチゴのデザートといえます。
昔は夏至祭の前夜は魔法の力が最も働く日と考えられていました。7種類から9種類の花を野原でつんできて、その花束を枕の下にいれて眠ると、 将来の結婚相手が夢に出てくると、今でも信じられています。

ザリガニとシュールストレンミング(毎年8月)

8月の第二水曜日はザリガニ漁の解禁日です。その翌日から店先やレストランでザリガニの名前をみることができます。 解禁日の晩やそれに続く何週間の間の晩には、バルコニーやテラスに友達が集まり、色鮮やかな紙ちょうちんを吊るした下で、ザリガニパーティーを開いている光景がスウェーデン中で見られます。 おどけた形をしたパーティー用の帽子をかぶり、紙の前かけをして、大皿に山盛りにされたザリガニに挑みます。 塩ゆでされた真っ赤のザリガニに添えられるのは、パンとチーズ。そして飲み物はビールとスウェーデン産アクアビット(イモ焼酎)。 そしてこの日によく歌われる、パーティーを盛り上げる「短い歌」もあり、とてもスウェーデン的な光景がみられます。
でもザリガニはダーラナ地方より北では繁殖しないので、北部の人はその代わりに「シュールストレンミング(酸っぱいニシンの意味) を食べます。8月の第三木曜日が解禁の日となっていて、この日から店頭には醗酵によってパンパンに膨らんだこのニシンの缶詰が並びます。 「世界一臭い魚」と称されるシュールストレンミング。こちらでは薄く焼いた白いパンとスライスした玉ねぎ、マンデルという赤い皮のじゃがいも を魚と一緒にパンに包んで食されます。私は(匂いを抜かせば)個人的には美味しいと思いますが、話のネタに一度は体験していただきたい味です。

聖マーティン祭(11月11日)

聖マルティン祭は特に南部・スコーネ地方では盛大に祝われます。もともとこの祭りは、フランスのツール地方の司教マルティヌスを記念したものでした。 けれどもスウェーデンではやがてこの前日がマルティン・ルターの祝日とも関連づけられるようになります。 何世紀もの間、農家の暦の上でこの日は「秋の仕事が終わり、冬の活動を始める日」として重要な日となっています。
ほとんどのスウェーデン人が農業を離れた現在でもなお、ローストしたガチョウがこの日を祝う伝統的な料理であることに変わりはありません。 各家庭やレストランでもガチョウのディナーが出されます。こうした食事は伝統的には、ガチョウの血といろいろなスパイスで 作った濃厚なスープ「スヴァットソッパ」(黒スープの意味)から始まります。

アドベント(降臨節)

(12月の第一日曜日:クリスマス行事が始まる日)
アドベントは教会暦での年の始めにあたります。この日から町ではモールや電球やツリーで、通りや広場が飾りつけられます。 家庭ではこの第一日曜日から日曜毎に、4本のローソクが立てられる特製キャンドルスタンドにローソクを1本づつ灯していきます。 クリスマス直前の第四日曜日には全てのローソクが灯されます。クリスマスまでの日にちを数えるものには、アドベントカレンダーというものもあります。 今は厚紙で出来たチョコレート入りのアドベントカレンダーが人気です。子どもは12月になるとクリスマスの日まで、毎日1個ずつ窓を開いて1口サイズのチョコをもらえます。 また、スウェーデンの国営テレビやラジオでも、「アドベントカレンダー」という特別番組を毎日20分ずつ放送します。毎年クリスマスニちなんだ お話しを放送していて、子どもにも大人にも楽しめる人気番組となっています。
このアドベントの間は、それぞれの家庭の窓辺が紙や干草でできた天使や白い鳥、星などで美しく飾られます。 沢山ローソクが並んだキャンドルスタンドも、好んで窓辺に置かれています。

ルシア祭(12月13日)

中世の暦によれば、この日は1年で最も夜の長い日なのだそうです。そのため、人間も動物も余計に滋養を摂らねばならないとされてきました。 もともとは男性だけがご馳走を食べたり飲んだりして祝っていたようです。しかし、18世紀末になると、若い女達が白い衣装を身に付け、 ローソクのついた冠をかぶり、主人や女主人の宴の席に使えたという記録があります。この儀式はその後次第に広まり、 1920年代にはストックホルムの新聞が市を代表するルシア姫を選ぶコンテストを開き、それをきっかけにたちまち全国に広がりました。
スウェーデンのどの家庭でも早朝にルシアのお祝いをします。またどの町、会社、学校でもルシア姫が選ばれます。 選ばれた少女は、白い衣装に深紅の絹の長い帯、ローソクの灯った冠をかぶり、伝統的な形に焼かれたサフランパンとジンジャークッキーを人々に配ります。 また、赤ワインを温めてスパイスで味付けし、レーズンとアーモンドを入れた「グレッグ」という飲み物も一緒に出されます。 ルシア姫の後には白い衣装をまとった付き人の行列が従います。お付きの女の子達は銀モールを髪に巻き、男の子達は金の星のついた三角帽をかぶります。 そしてみんなで「サンタルシア」などの昔からのルシア祭の歌を合唱するのです。

ユール:クリスマス(12月25日)

クリスマスは一年の内で一番盛大で、しかも最も長い期間の祝祭です。学校に行っている子ども達には2週間のクリスマス休暇となりますが、最も盛り上がるのはクリスマス・イブ の12月24日から、25日といえるでしょう。24日は各家庭でお祝いをし、25日の早朝に教会に行くのが伝統的です。
スウェーデンのクリスマスは数々の伝統的なしきたりがありますが、中でも大切なのはツリーを飾ること、クリスマス料理、トムテ(クリスマスの妖精)の訪問です。 ほとんどの家庭でクリスマスの1~2日前になるとツリーが家に運びこまれ、キラキラ輝く飾り、色鮮やかな包み紙のお菓子、ガラスの飾り玉などで飾られます。 ツリーにはあかりも灯されます。今では電球が普通ですが、昔ながらにローソクを使う人もいます。ツリーには毎日水をやり、クリスマスから20日目の、祝祭の最後の日まで飾ります。 どこの町や村に行っても公共のツリーが立てられています。
クリスマスイブの日は昔から家畜の世話以外の仕事はしてはならない日とされてきました。またクリスマスのご馳走を食べる日でもあります。 ユールシンカ(クリスマスのハム)、酢漬けのイワシ、グラーバドラクス(ディルで漬けた鮭)、ポテトとアンチョビのグラタン、ミートボール、ソーセージ、コールスロー、 5種類くらいのパンとチーズ、デザートなどが並ぶスモーガスブード(バイキング料理)が有名です。
食事が終わるとトムテの出番になります。トムテはヒゲの長い小人で家や納屋の床下に住み、家族や家畜を守ってくれると信じられていました。 19世紀の終わり頃、スウェーデンの女性の画家がこの妖精を描いたクリスマスカードを作り、それが大変な評判となりました。 そしてやがてスウェーデンではこのトムテがサンタクロースに代わる存在として、贈り物を持ってくると信じられるようになりました。 今、多くの家庭では、クリスマスイブの夕方に、誰かがトムテになってプレゼントの入った大きな袋を肩にかついで玄関から訪ねてきます。

大晦日と新年(12月31日/1月1日)

他の西欧諸国と違い、スウェーデンでは新年を迎えるのに大騒ぎをすることはありません。何人かの友達を家に招いて一緒に新年を祝うというのが一般的です。 1900年代初頭から、ストックホルムっ子の間で夜中の12時に野外博物館スカンセンに集まり、英国の詩人テニソンの詩「新年の鐘の音」 の朗読を聞く習慣がありました。現在でもテレビやラジオで放送されており、これを聞くことも一つの伝統行事になっています。 スウェーデン人が大晦日を家で過ごすことの多い理由の一つとなっているでしょう。 レストランはもちろん予約で一杯になりますし、花火が打ち上げられたりもしますが、大晦日はやはり家で静かに過ごすのが一般的な様です。 昔からの言い伝えでは、大晦日の晩に畑や道路に出てじっと耳をすまし、鎌で草を刈る音を聞いた気がしたら「新年は豊作」、剣が打ち合う音なら 「争いごと」がやって来ると信じられていました。

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